6年くらい前に一旦レストア完了したTZR。
15年くらい前にリサイクルショップで不動で売られていたもので
カウルレス、怪しい自家塗装で小汚い状態で売られていました。
聞くと買取時にはエンジン掛かっていたけど数ヶ月置いておいたら掛からなくなった、と。
価格は5万円。
でも、よくよく見ていくと、ユーゾーのチャンバー、メーカー不明なバックステップ、
何気にリヤブレーキはフローティングキットが入ってたり。
店主も自分で整備しようとしたらしく、キャブのOHキットがあるから
それも付けるよ、って。
これは買いだな、とその場で即決して買って来た。
その日のうちにキャブを簡単に清掃したらあっさり掛かった。
そして何故か我が家には前に乗ってたTZRのカウル一式が保管されてたので
純正ノーマルチックに再生しよう、と思い立ち
とりあえず外装バラしてフォークなどOHしたりブレーキOHしたり。
そこまで行って「後は外装の塗装だけ」となってから
他のバイクのレストアなんかも重なって車庫保管となって数年。
いい加減仕上げないと、と外装塗装をして6年くらい前にようやく完成したのです。

それから時々乗っていましたが、大変調子が良いまま来ていたんですけど。
昨年、テイストオブつくばの神楽月が終わってライダーの友人Kと近所を
ぶらりと走って帰ってきた時。
アイドリングでやたらゴーゴーという異音が気になりました。
どうも、回転系の異音のようです。
「これ、クランクじゃね?」
もう気になって仕方がない。
エンジンそのものは調子がいい。
でもこの異音は一旦気になると気になってしょうがない。
テイストに行くと分かるんですけど、2stとか、普通にその場でエンジンバラバラにしてて
聞くとちょっと気になる部分があるから予選前に部品交換するんだ、とか
普通に言ってたりするのを見てきてそれまでエンジンをバラす、と言うのも
結構な大作業、と言う認識でしたが・・・
考えてみれば、構造は非常にシンプルで慣れてしまえばそんなもんなのかな?と。
以前のレストアでは車体周りのみだったので今回思い切ってエンジンもやろう、と。
そうなればプランを練ります。
① 今のエンジンを下ろしてそのままOHする
② 予備エンジンを入手してそれをOHする
③ 中古クランクのみ買って外注OH、今のエンジンをOHする
とりあえず、どれで行くかヤフオク眺めつつ検討。
ちなみに新品クランクもそっと価格を調べる。
昨年の春に値上げになって12万・・・・却下。
とりあえず、3XCの中古クランクを買ってみた。
頭の中では、これをOHに出してその間に今のエンジンをバラして、と
考えていたのですが、クランク探してた時に低走行の3XCの腰下が安く出ていたのを見つけ
それを購入。
これをベースに腰上のみOHで行けるかな?と思ってた。
でも届いてみたらめちゃくちゃ程度が悪い・・・画像と全然違うじゃん(汗)
しかも迂闊だったけどケースの刻印は3XCなんですね。
これも気に入らない。
何故か手持ちにあった1KTのクランクケースと2個一で、と分解してみるも
内部の状態も非常に悪い。恐らく保管状況が良く無かったんでしょうね。
途中でのプラン変更が元で大変な事になっちゃった。
でも、それでも懲りない自分。
ウォッチに入れていたジャンクな1KTエンジンが2回転くらいしてたので
思い切って購入(苦笑)
ジャンクなものばかり見ていると程度判断もそれに倣ってくると言う・・・
ジャンクなエンジン。

一応、始動動画はあったんで見たんですけど、まぁ普通に始動、吹け上がってました。
もう、最初に買った中古クランクとこれ使ってOHして1基組むしかないね、と。
で、バラす。
見た目に反して内部はマシでした。
シリンダーは薄っすらとサビが確認できましたが、気になるような傷は無く。

サビはホーニングで行けるかどうか分からなかったので
念のためボーリングして0.25のオーバーサイズのピストン入れようと考え
クオリティワークスさんに相談。
クランクと合わせてやってもらう事に。
そこからOHに必要な部品の拾い出し。
ん〜、やはり結構な部品点数になるなぁ、と変な汗かきながらパーツ発注。
それが昨年の12月のお話。
シリンダー、クランクを送り、その間にジャンクエンジンを全バラ。
クランクケースやヘッド、その他、塗装など必要な部品はサンブラで研磨、洗浄。


塗装はウレタンにするか、耐熱塗料にするか悩んだのですが
後の補修など考えて耐熱塗装にしました。
これならどこか剥げてもタッチアップ出来るので。


プラグは交換するのでメクラがわりにしてそのまま塗装、熱かけてやりました。
内部パーツで再利用するものは超音波洗浄機とか使いながら洗浄したり。


洗浄機でここまで綺麗になる。楽ちんですね〜。
部品も続々届いていたんですけど、作業していくと忘れていた部品などもあったり。
追加で部品の発注なんかもするのですが、部品が多いので組める部分は作業進めていきます。

画像は一回組んだケースをまた開けるという失態をかましたときの物ですが
シフトフォークはジャンクなエンジン、買って失敗した3XCの腰下のものそれぞれを
比べて減りの少ないものを選びました。
でも、この時点で外注に出していたクランクなどが戻ってきていないんで
それ以外の部分を進めていきました。
ヤフオクってやっぱり必要のない時は見ない方がいいですねぇ。
暇な時に何気に見てたら、スイングアームが目に入った。
おやおや、2XT用のスイングアームっすか。
でも異様に安いなぁ。
そもそもですが、1KT用として出品されている。
リンク付きで3千円は安いなぁ、と見てたらそのまま入札なしで終了しそうだったので
入札してたらそのまま終了w
念願の2XT足になるなぁ、なんて出品者のその他の出品見てたら
フロント周りの部品も出てるw
しかも程度が悪い事もあるけどやっぱり安い。
アクスル、などとセットで格安で落札。
ただ、フロント、リヤホイールだけは出ていないのでリヤホイールは別で探すも・・・
やっぱり「希少!2XT用」とか銘打っての出品物は異様に高い・・・
で、前にどこかで聞いた「FZXジールのホイールが2XTと同じだよ」という
あやふやな記憶があったので念のためパーツ検索で品番を調べると・・・
あ、ホントだ。
カラーコードでの枝番は違うけど本体の部品番号は同じです。
で、ジールのホイールを探すと・・・
あるある。しかも安い。

前後セットで格安落札。色剥がれとかはあるけどサンブラして塗装するので
フレや打痕のないものを選びました。
揃った足周りをとりあえず組んでみる。
おー、ばっちりじゃないかー、と気を良くして下処理など進めて塗装する。




流石にこれらはウレタンで。クリアーもしっかり塗りました。
で、出来上がったそれぞれの部品を組む。





ん〜、余計な出費だったなぁ(笑)
ディスクのフローティングピンはプラスμのカシマコートのピンに交換。
タイヤはTT900。
フロントフォークはボトムケースはサンブラしてウレタン塗装。
インナーチューブはレストアの度にお世話になってる業者さんのところのリプロ品。
これで足回りも意図せずリフレッシュ&バージョンアップ完了です。
こんなことしてたら、1月中旬シリンダー、ピストン、クランクが戻って来ました。
クランクはOH、その際に片方のコンロッドにサビが入っていて使えない、という事だったので
相談の末2本とも新品交換。これは想定外だったなぁ。
芯出ししてもらいクランクのピンは溶接はしませんでした。
レースで使うわけじゃないしね。


ピストンはTKRJのピストン。
サイズに関しては結果的に0.5mmオーバーサイズになりました。
サビの一部が思ったより深かったそうで・・・
ピストン関係はWPC、モリブショットをしてもらいました。
シリンダーはボーリング+プラトーホーニング。


綺麗ですね〜。
ボーリングの際の検査成績表も添付されてました。
これらの加工作業は井上ボーリングさん。
自分としては憧れの内燃機加工屋さんです。
昔、整備士やってた時は近くに腕利きの内燃機屋さんがあったんですけど
結局社長の引退と同時に廃業され、職人さん達も各地に行ってしまいました。
今では内燃機屋さんも少なくなって、まして2stに強いところはある意味
「絶滅危惧種」的なほどに減ってしまいました。
そんな中で井上ボーリングさんのような企業さんは本当に貴重な存在ですね。
エンジン関係の部品も揃ったので組み立てに入りました。

この時、うっかりOリング2個を入れ忘れてしまい後でまた開ける事になりますがw
ケースの合わせ面の液ガスは指に付けてポンポン叩くようにして
必要最低限の量で塗布します。
ノズルで細長く塗って組むと余計な分が内外部にはみ出したりして良い事はありません。

塗装が終わったケースで組み上げ。気持ちが良いですね。

ケースを閉じたらミッションの入りなども確認してクラッチの組み立て。
今回はディスクはKIWAMI製にしました。
クラッチのスプリングも純正ですが別車種の物を組みました。
ちょっと強いようでプチ強化みたいなもんですね。

シリンダーも組みます。ストロークさせても良い感触です。
シリンダーボルトなどにはパーマテックスのペースト塗って組み上げます。
固着防止ですね。

シリンダーヘッドも装着。

あ、そうそう。
YPVSバルブのホルダープレートはトシテックさんのプレートにしました。
この際なので導入です。

ジェネレーターも組みます。

カバーを付けます。
オイルポンプ、ウォーターポンプもOHしたものを組みました。
ちなみに、ミッション系のベアリングも出るものは交換したんですが
1箇所だけ廃盤で、それらは程度の良い物を選んで再利用しましたが、これだけが
心残りですねぇ・・・
でも、概ねフルオーバーホール完了です。

チャンバーのフランジも取り付け。
ガスケットは社外品ですが、締め込むとムニュッと潰れるタイプ。
多少排気の液ダレが防げれば、という事です。
で、車体の方からエンジンを下ろしました。

やっぱりTZRはエンジン下ろすのも楽?ですねー。
これの前に下ろしたエンジンは・・・FZR250R(3LN)だったので
重さがそもそも違いますなぁ。
やる気が減る前にささっと載せます。

エンジン載せてわからなくなる前にあらかた組み上げます。
ラジエターは社外品に変えました。純正よりは多少厚みがあるので
冷却も少しは良くなるかな?

下ろしたエンジン。
ん〜・・・調子は良いものの、見た目はかなりヤレてますねぇ。
これはしっかり綺麗にして時間とお金のある時にOHしようと思います。
この後、キャブもOHしていざ取り付けよう、と思ったんですが。
ストックしてあった新品のインマニを出してきて取り付けてたら・・・
あれっ????
右が2個・・・・うわー、やってしまった。
発注の際に間違って片側を2個頼んでしまっていた模様。
この時、確か1個8千円くらいだったはず。
この手の部品は消耗するしストックしておこうとTZRレストアしてた時に買っておいたんですけどねぇ。
恐る恐る価格を調べる。
げっ、結構値上がりしてるぞ。1個1万2千円ほど・・・・
ん〜・・・仕方があるまい。無いと困るし、と泣く泣く注文。
ま、左を2個頼めばまた1組ストックできるしな、なんて注文したら
バカなワシは左右で注文してしまうという大失態。
届いて気がつくという間抜けっぷり。
手元にはまた右側が1個残ってしまった・・・
まぁ、値上がり前に左を1個、また買っておくか・・・・
とそんな事しながらも無事キャブの取り付けも終わりチャンバーもサビ落としして
色も塗って取り付け。
2stオイルは贅沢にZOILを入れてポンプのエア抜きもして。
いよいよエンジンに火を入れます。
冷却水、オイルを入れて混合を用意して点滴ボトルに入れて。
キック数回で火が入りました。
感激です。
着手からほぼ半年、やっと火が入りました。
各部からのオイル漏れ、水漏れの確認をして・・・
おーっと、左のキャブからオーバーフローだ!
どうも以前から左のキャブがお漏らし気味なんです。
キースターのOHキットを使っているんですけど油面が安定しないんですよね。
キャブ、ダメかなぁ・・・・
かと言って中古も高いし、気になっているクオリティワークスさんの
PWKもあるけど高いんだよなぁ。
ちなみに、ここまで当初予算を遥かにオーバーしていますw
総額で行くと・・・30万は越しちゃったな。
エンジンの加工だけで25万くらい掛かったのでその他純正部品で5〜6万は行ってる。
余計な足周りの出費もあったし、結果的に40万くらいにはなってるかと。
まぁ、それでもこれで当面安心して乗れると思えば・・・安いのか安くないのか。
程度の良い1KTの中古も40万前後で売られてはいますが
それでも現状ですからね。
ヘタってる部分や色々整備していくとそれなりに掛かるし
その辺やってます!っていうような業者の出してるものだと80万とかで売ってたり。
でも正直、どこまでやってるかなんて分からない。
なら自分で手を入れてリフレッシュしていくほうが安心ってもんです。
プライスレス、なんですね。
こーいうのって。
興味ない人には絶対理解出来ないし、興味がある人も自分でやれれば良いけど
ショップに依頼するとなると工賃も加算して考えないとダメだし。
そもそも、最近は2stエンジンをやってくれるショップさんも激減していますからね。
クオリティワークスさんなんかも、めちゃくちゃ忙しそうです。
でだ。
キャブのオーバーフロー調整とか何度かやって
スロットル開度が少し狂っていたので調整しようとワイヤーの調節しようとしたら
錆が回ってて固着。
浸透潤滑剤吹きまくって回そうとしてたら・・・・
あっ!!!折れた!!!

ここがポッキリ逝っちゃいました・・・・
参りました。キャブ上のワイヤー取り付け部分。パイプ部分でポッキリです。
これは困った。純正部品は出ないというか、この部分はキャブの蓋と一体で
この蓋だけ単品での補給はそもそもありません。つまりアセンブリになる。
一応パーツ検索するも当然「販売終了」です。
中古を漁ってみるも・・・1KT用で左右セットだと3〜4万だそうです(汗)
恐らく、3XC用とかも口径は違いますが本体寸法は同じっぽいので行けそうですが
それでも2万くらいする。わざわざ使えないキャブを買うのも・・・と悩んでいたら
「あ、昔買ったキャブがあったかも」
と思い出して探してみたら・・・ありました!良かった〜。
問題のパイプ部分のロックナットもちゃんと回るし使えます。
問題は・・・・ワイヤー側ですね。こっちに折れたパイプが残ってる。
これを除去してネジ山修正しないと使えない。
2時間くらいかけてドリルで残ったパイプを削ってやって薄皮一枚くらいになったところで
タップを通して・・・何とか復旧。
でもやはりかなり甘くなってしまいました。
確か・・・リプロ品でスロットルケーブルが売ってたような・・・
調べてみますとありました。5千円くらいのと8千円くらいの。
ここは安い方を購入します。
これで何とかなりそうです。
一応、修理した状態で組んでエンジン始動させましたが問題はないみたい。
ただ、もう片方も固着しているのでそっちも何とかしないとダメですね。
とりあえず、このキャブ周り以外はOKなので外装組んで部品待ちとなります。
もう少しで走り出せそうです。














